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Yukoさん

アメリカ病院での就職と病院現場で働くということ

海外留学をしようと思ったきっかけ
つい1か月前に、自分自身が病院看護がしたいのか訪問看護がしたいのか迷っていました。その目標が揺らいでいた状態で、何か解決の鍵はないかなとインターネットで情報を探している時にアメリカ看護のホームページ http://americakango.com/report-april2018/
にたどり着きました。半年前にワシントン州からカリフォルニア州へ引っ越しをしてきて、地元の病院に手あたり次第に履歴書を添付してインターネットで就職活動を行いました。訪問看護のお仕事の応募もしましたが、条件を満たしていないということでお断りのメールを受けました。その後、いくつかの病院から面接のお話しをいただき、その内の一つの病院から即日返事をもらい、今に至ります。病棟で働き始めてからも、訪問看護のことが頭から離れずにいました。アメリカ看護の星さんとお話しをさせていただいたのは、そんな時です。初めての電話でお話を始めてからすぐに星さんは、「凄く良い!訪問看護はこれからどんどん需要が高くなるから、ビジネスになる!!」とおっしゃっていました。

電話前にメールをさせていただいた際に、今後の目標は訪問看護をやってみたいと星さんに伝えていたので、この星さんの生の声は心強いものでした。そこで私は訪問看護のお仕事を断られたことを星さんに話しました。私はワシントン州で1年半アメリカ病院勤務の経験をし、他の看護の分野も目指せると思っていたので、条件を満たさない理由は4年制大学を出ていないせいか、病院勤務が短すぎるせいだという自分なりの考えを話しました。すると、星さんはカリフォルニア州の看護事情を詳しく教えて下さいました。カリフォルニア州では新米看護師になってから急性患者を診る病院(Acute care)の経験が最低3カ月は必要で、その後半年はAcute care で働き、合計9カ月くらいの経歴があればどの看護分野にも転職しやすいということでした。ただ、私の場合はAcute care 経験はありましたが他州からのRN資格免許書き換えでしたので、カリフォルニア州での看護経歴が雇用者が検索しても出てこず、経歴がない状態なので条件が満たさないという結果になったのではないかということでした。なるほどと思いました。

経歴を積み立てていけば、雇用者側の検索にも自分が引っかかってくるというわけですね。アメリカでは転職などの場合、雇用主はReference といって雇用者の現(前)雇用主や同僚などに直接連絡をして、雇用者の性格や仕事への態度などの情報を聞き、雇用主がその内容を信用して雇用に至るという形になります。それに加えて看護師の場合は、州の資格を持っていることが最低条件になるので、私は最低条件を満たし、応援してくれる元勤務先のマネージャーと同僚のお陰で仕事を得ることができたということですね。この、周りで自分のことを売り込んでくれる仲間がとても重要な役割を果たすんです。どれだけ自分が次の雇用主に対して必要な存在かということを伝えてくれれば雇用に成功する道となるのです。星さんは同じカリフォルニア州で頑張って日本人看護師になった方々のReferenceになり実際に就職へ繋げているという話を聞き、情熱がありエネルギーがある強い味方だな!と思いました。

(1) アメリカの病院職務について、また、アメリカ病院ルーティン内容に関して教えて下さい。
私が現在働いている科は、Stepdown unit(Transitional care unit とも言います) といって、患者がICUに行くまでもないが、急性な症状が出ていて点滴を投与し頻繁に容体を確認しなければならなかったり、術後で強い痛み止めの点滴を打っている患者や、人工呼吸器をつけている患者など、状況は様々です。

例えば、不整脈(Atrial fibrillation)で心拍数が異常に早くなっている患者さんが点滴でDiltiazemという薬を受けているとします。私は患者さんの心拍数と血圧を確認し、心拍数を通常な心拍数になるように点滴のDiltiazemの投与量を医者の指示している範囲内で調節します。Diltiazemの投与量を変える場合は、血圧も変化するので、その経過も注意して診ていなければなりません。同じくして、Diltiazemの錠剤も投与をしたりするので、その都度、患者の心拍数と血圧を確認します。人工呼吸器がつけられている患者さんの場合は、呼吸療法士と仕事をします。機械の設定などは呼吸療法士がしてくれますが、機械がどの設定になっているかの確認や、アラームが鳴っていたら、問題点を探して直したり(それでもわからない場合は呼吸療法士に来て診てもらいます)、首に入っている管を新しいものに交換したりします。最初は慣れずに慎重になりますが、プロとしてお金を頂いて患者さんをお世話しているわけですから、気を張りながらお仕事をするこの慎重さが大事だと思っています。

看護師として、ナースエイド(看護補助)がする仕事内容もします。患者の体を拭くのを手伝ったり、トイレへ行くのを補佐したり、日本で働いている看護師さんでしたら当たり前にすることも、アメリカは業務の細分化でそういった作業をやりたがらない看護師もいます。しかし、同じ患者をお世話しているので、私は自分が手伝える場合は積極的にナースエイドのお仕事もします。

(2) 同僚との連携体制はどうですか?ご自身で心掛けている事などありますか?
ほぼ毎日、受け持ちの患者が変わるので、患者の情報を引き継ぎは、毎シフト必須です。アメリカの病院は患者の入院期間が短く、少しでも容体がよくなるとすぐレベルの軽い科へ移動したりするので、早いペースで物事が進んでいきます。同じ患者を受け持ったとしても、同じ科に滞在しているということは、容体が良くなっていないということで、良くなっていない症状に対し、新しい処置のプランが立てられてたているので、その際の伝達や引継ぎは必要になります。SBARという方法があり、効率良く伝達報告する医療関係で使われる手法です。この方法は看護学校の頃に学びます。経験を積むごとに慣れていきます。話すのが早い相手に当たると、聞き逃したりすることもあります。聞こえなかった部分は、聞き直したり、繰り返して確認するようにしています。また、より情報がほしいなと思った個所は、ここはどうなのかと最後に聞き出したりしています。医者とのやり取りもそうですが、不明点は恥ずかしがらずに何度も聞いて、確実に理解するというのが重要だと思います。

(3) 同僚とのエピソード
私は新米看護師だった時に一緒に組んで仕事を教えてくれた先輩看護師に恵まれました。彼女は一つ下で3年目の看護師でした。ケニヤから高校生の時に移民をしてきて、アメリカで看護師になりました。私も移民でアメリカへ一人で来てから、英語は第二言語で看護師学校へ行き、仕事をしながら自分の生活を支えて、看護師になるという似たような状況で、彼女は私の見方になってくれました。彼女は「私はあなたの苦悩も痛いほど分るし、あなたがどれだけ賢い人間なのかも分る。だから、自分のやってきたこと、やっていることに自信を持ちなさい。」と毎回言ってくれます。州が離れても電話で近況報告をします。彼女は、「あなたの患者、私の患者ではなくて、私たちの患者と思いなさい。分らないことが出てきたら人に聞いて助けてもらいなさい。いつかあなたも新しい看護師を助ける時が来るんだから。」ってGive and takeの精神を教えてくれます。彼女は看護師としても素晴らしいですが、人間としても尊敬しています。


(4) 心に残っている患者とのエピソード

最近、日本人の患者さんを受け持ちました。丁度私がシフトを始めたときに、救急病棟からStepdown unitに来ました。私よりも前に患者の情報を聞いた看護師から、「この患者さんは英語を話せるらしいけど、中国語が第一言語みたいだわ。」と聞いていて、名前を見たら「Sayoko (仮)」と書いてありました。うーん、日本人の名前だよな。中国で生まれ育ったのかなと思っていました。いざ、患者さんが運ばれてきて、「私はYukoで、あなたの看護師です。」と自己紹介をしました。(アメリカでは、まず初めに患者に会ったら、必ず自己紹介です。)すると彼女は日本語で「日本人?」と聞いてきました。「そうです。Sayokoさんも日本人ですか?」と聞くと、返答がなく、耳が遠いようでした。近くで手伝ってくれていた看護師は返事がないSayokoさんを見て、痴呆が入っているのかもよ~。と言っていましたが、紙に日本語で質問を書いてみると、「そうよ、横浜生まれで、ずっと昔にアメリカに来たのよー。私は初めて日本人の看護師に会ったわ。」と返してくれました。
また、耳が遠いこと、家族のこと、今日は何日で、なぜ病院に来たかなど、いろいろ教えてくれ、頭ははっきりしているようでした。誰がSayokoさんは中国語を第一言語で話すって言ったんだ。きっと、他の看護師が中国人と日本人が一緒に見えて、勝手に中国人と判断したに違いない、、、と想像しました。加えて耳が遠いと会話のキャッチボールが上手くいかなかったりするので、本当に患者さんが困惑しているのか等、やり取りするうえで時間をかけて違う方法で試して判断する必要があります。Sayokoさんの場合、私と筆談と会話を日本語で行うことができたので、他の看護師とのやり取りよりもスムーズにお世話をすることができたと思います。日本人看護師の利点は、たまに来る日本人の患者さんやその家族の役に立てること、そして患者さんの中でも日本が好きな方が多いので話のネタに日本のことを話したりします。

(5) Yukoさんの平日日課を教えて下さい
平日は仕事の日もあれば、休みの日もあり、週末は隔週で働いています。お休みには友人とランチしたり、ジムに行ったり、今度ヨガにも行ってみようと思います。今年の夏から、学士号を取得する為に学校が始まるので、また仕事と勉強に専念する日々が続くかと思います。そうなると、友人と遊ぶ時間やジムに行く時間も無くなるので、今のうちに羽を伸ばしておこうと思っています。

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私が、アメリカ看護師として今後の目標を打ち明けられる場所がなかなか無く、もやもやしていた時に、星さんに相談に乗っていただいて、心強く思いました。次から次へと出てくる星さんアイディアで私の視野が前に向いてきました。星さんの発想はとても自由で経験がなければ出てくるものではないと思いました。本人が本気でアメリカで看護師にりたい、そして、働きたいと思ったら、星さんはその個人の状況によって様々なアドバイスをくださいます。どんな方にも参考になります。今、与えられた機会を生かして、経験を得て、少しでも目標に近づいていけたら良いと思っています。これからも日本人看護師の応援をお願いします!